前号のコラムででお伝えした通り、
「毎月支給される月額給与に着目したSIOプラン」の導入には、
様々な観点からの検証が必要です。
(社会保険料最適化の、全てに言えることですが...)
「月額給与と賞与のバランスを調整する」
実は、ここまでは、書籍やネット検索などでも、
ある程度の情報を得ることはできるのです。
既にご存知の方もいるのではないかと思います。
しかし、これらの情報だけで、
社会保険料最適化は実現できるのかといえば、
決してそうではありません。
最適化実現にあたり、
どんなポイントがネックとなるのか検証してみましょう。
★ネックポイントその1
:残業代の計算基礎単価が増額してしまう
「毎月の月額給与を、階段に対して最適な位置となるよう
予め調整する」ということは、すなわち、
月額給与の額が増加する、ということ。
月額給与の額が増えれば、増えた額に比例して、
残業代の計算基礎額が増額することになってしまいます。
(残業代の計算基礎額=給与額/労働時間(所定)で算出)
給与が増えれば当然、残業代も増えてしまい、
結果として、支払総額が増えてしまうことになるのです。
せっかく社会保険料を節減できても
支払残業代が増えてしまっては、
会社としてメリットを享受することができなくなってしまいます。
(社員の皆様は嬉しいかもしれませんが...)
★ネックポイントその2
:階段の位置を決める際は、残業代を加味せねばならない
月額給与を、階段のどの位置にするか決定する際には、
支給された残業代も加算して考えなければなりません。
残業代の金額次第で、階段の位置が変わってしまうからです。
ということは、給与額をもとにして
予め、階段の位置に対して最適に調整しておいたとしても、
その後「残業代」の要素が加わってしまいますので、
意味がなくなってしまうことがお分かり頂けるでしょう。
★ネックポイントその3
:支給金額を調整する時間がない
ネックポイントその2、で
「階段の位置を決める際は、残業代を加味せねばならない」と
お伝えしました。
では、6月の残業代が決まってから最適な位置になるよう
調整すればよいのではないか、と思われるかもしれません。
しかし...
給与の締日と支払日までの期間が短いと、
短期間では数字の算出がとても間に合いません。
また、社会保険への加入者の人数が増えるほど
計算とチェックの手間がかかってしまいますので
どうしても、時間が足りなくなってしまいます。
★ネックポイントその4
:節減の効果がいくら出るのか、事前算出できない
社会保険料を最適化するには、
給与を調整する必要があるため、
経営判断及び従業員の合意が必要となります。
ということは...
施策を導入すると節減効果がいくら出るのか、
ということが分からない状態では施策の導入はできません。
(複雑で精緻なシミュレーションを行わなくてはなりません)
★ネックポイントその5
:コンプライアンスチェックが手間である
社会保険制度も税制と同じく、
非常に複雑な構造で成り立っています。
最適化をするための制度のギャップは分かっても、
じゃあ、どうすれば法律を遵守した形で最適化できるのか?
やろうと思った施策は法に触れていないのか?
という観点で、関連する全ての側面からチェックをするのは
非常に手間がかかります。
上記以外にも最適化を阻むネックポイントは
考えられますが、当社では、これらのネックポイント全てを、
「最適化手法」「分析手法」「導入運用方法」の観点から
クリアしてきました。
その結果として、当社のSIOサービスを導入頂いた企業では、
スピーディかつ合理的に最適化が実現できているのです。
<まとめ>
1)手法の情報は分かっても、社会保険料の最適化は多くの会社で
実現できていない
2)最適化を実現するうえでは、多くのネックポイントがあるが、
SIOプランではそれらをクリアしている
前回のコラムで月額給与に着目したプランの
「関連する社会保険の仕組み」について説明をしました。
簡単にポイントを振り返ると、
月額給与に対する保険料は階段状で決まっていて、
同じ階段の中で月額給与を支給されている場合は、
給与の額に違いがあっても同じ保険料を支払う事になっています。
また、同じ階段の中であれば、
階段の右側にいく程実質の保険料率負担が
下がっていく事になるというものです。
以上が前回までの内容です。
では、今回は4つの要素のうちの一つである
「社会保険料の最適化を実現する最適化手法」について
説明をしていきましょう。
月額給与の最適化は、最適化を目的として、
「社会保険料の実質的な保険料率が最小になる」ことを意図し、
年収を変えずに月額給与を階段の右側に設定されるように
調整を行なう事で実現します。
月額給与の調整を行う方法は、
年収を変えずに月額給与と賞与のバランスを取り、
月額給与を階段に対して最適に設定する事で実現をします。
月額給与は実質の保険料率が最小になるよう調整を行っても、
社会保険の仕組みで説明した通り保険料の金額に変化はありません。
一方、賞与に関する保険料はどうなるでしょうか?
賞与に関する保険料は階段状の制度ではなく、
賞与額と保険料額がほぼ正比例に対応する制度となっています。
という事は賞与の額を調整すると
保険料の額にも変化が起きるという事になります。
最適化手法について振り返りますが、
年収を変えずに月額給与を階段に対して
最適になるように調整します。
その結果として賞与の金額が減る事となります。
月額給与に対する保険料は変化がありませんが、
賞与を減額すると結果として賞与に関する
保険料が減額されるため年間の社会保険料の負担が
減額される事になります。
これが最適化の手法となります。
一見すると簡単に導入できそうな手法ですが
実現するには残業代など数々のリスクがあり、
そのリスクをクリアする事が欠かせません。
また、月額給与が階段に対して
最適になるように計算する事も必要となります。
どうやって月額給与と賞与を
具体的に調整するのかいう方法について
興味をお持ちの方は、SIO無料診断の
問い合わせをしていただければと思います。
<まとめ>
1)最適化は月額給与を階段に対して最適になるよう設定する事で実現する
2)年収を変えずに月額給与を調整する事で、結果として賞与支給額が減り、
賞与の社会保険料が減る事で年間の社会保険料負担額の節減につながる
<知らずに払い続けますか?毎月の給与に対する社会保険料の決まり方>
今回は、あるSIOプランをピックアップして
SIOを構成する4つの要素、
「関連する社会保険制度の仕組み」
「最適化手法」
「分析手法」
「導入方法」
のうち、「関連する社会保険の仕組み」について
説明します。
これから説明するのは、毎月支給される月額給与に
着目したプランです。
社会保険について知識をお持ちの方であれば
既にご存知の事かもしれませんが、
毎月支給される月額給与に対する社会保険料の決定方法には
独特な部分があります。
それは、「社会保険料は月額給与に
保険料率を乗じて算出されていない」という点です。
実は、社会保険料とは、月額給与の増減に
正比例して支払う金額が変化する制度ではないのです。
月額給与に対する社会保険料は階段状で、
その階段毎に支払う額が決定する
仕組みを使っています。
一定の金額幅の階段にいる人は同じ月額給料とみなされ、
同じ社会保険料を支払う必要があるのです。
一定の金額幅を代表する金額を、「標準報酬月額」と呼びます。
この仕組みは、社会保険申請後の
国の計算手続きを減らすという意味においては、
非常に効果的に機能するものではありますが、
一方、これが原因で起きてしまうある現象があります。
どんな現象が起きると思いますか?
それは、月額給与が階段上のどの位置にあるかで
実質的な社会保険率が異なる人が出てくるということです。
つまり、得をしたり、損をしている人がいることになります。
<比べて下さい。社会保険制度に潜む名目と実質の保険料率差>
イメージがわきにくいかもしれませんので
数字で説明をしてみましょう。
例えば、25万円~27万円までを1つの金額幅の階段
(標準報酬月額は中間の260,000円)として、
保険料率が9.0%の場合で考えてみます。
月額給与が250,500円のAさんと
269,000円のBさんは、同じ階段にいるため、
同額の社会保険料を支払う事が必要となります。
実質的には、250,500円月額給与をもらっているAさんと、
それよりも2万円弱も多い269,000円をもらっているBさんが
同じ社会保険料を支払っている事になります。
実際に負担している保険料率(以下実質の保険料率)を
算出してみるとその差は明らかです。
実質の保険料率は、社会保険料負担額を月額給与で
除すると算出されますので計算をすると下の通りです。
Aさん
月額給与:250,500円
⇒社会保険料支払額23,400円
⇒ 実質負担率:9.3%
Bさん
月額給与:269,000円
⇒ 社会保険料支払額23,400円
⇒ 実質負担率:8.7%
なんとBさんの方が0.6%得していることになります。
同じ階段の中でも右にいるほど、
月額給与に対して支払う保険料の比率が小さくなり、
実質得をしているという事がお分かり頂けたかと思います。
<まとめ>
1) 月額給与の社会保険料は階段状に設定されている
2) 階段の右側に行くほど実質の保険料率は低くなる